ミレー館について

2008年に30周年を迎えた山梨県立美術館ですが、それを機会にミレー館を設置しました。
あらたに室内を増設したというわけではなく、既存の展示室にミレー専用の室内を設けたわけです。
なにしろ70点もあるので、それだけでも特別展ができそうですね。それで実際そのような展示室を構えたというわけです。

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実際はミレーだけでなく、デュプレやアルピニー、ブルトンといったバルビゾン派の作品も展示されています。最近では2008年に初期の作品である「眠れるお針子」が新たにコレクションに加えられました。
見るとかわいらしい少女のようですが、ミレーの2番目の妻と言われています。30周年記念で購入したということで、このご時勢にどの美術館も作品を新しく購入するのは大変ですが、ジャン・フランソワ・ミレーの収集にこだわる学芸員やスタッフのみなさんの姿勢には感服する、といっても過言ではないと思います。

ちなみに2階にあがると視覚障害者のために「手で見るミレー」という展示もあり、細やかな配慮はすばらしいです。

ミレーの作品

ミレーの代表作といえばオルセー美術館所蔵の「落穂拾い」「晩鐘」「羊飼いの少女」ですね。学校の教科書にも載るほど有名な作品たちですが、2003年の春にその3大名画が日本へ一挙にやってきました。
それらが一堂に日本国内で展示されるのは最初で最後の展覧会といわれたほどで、展示会場のひとつであった渋谷のBunkamuraザミュージアムでは予想通り人だかりでした。
あまりにも有名な絵画ですし、色彩的には地味なので、そんなたいしたことないと思われる方もいるようですが、本物を直に見るのと画集で見るのとでは全然違います。

その奥行きのある立体感と細やかな色彩は実際に見ないと味わえない、そう感じる作品たちでした。大型の作品ではないにもかかわらず、意外と大きく感じるのも、きっと見る者に訴えかけるものが大きいからでしょう。
あの場にいた美術ファンの方はラッキーなほどの展覧会なのでした。
そのチャンスを逃した方は残念ですが、しかしがっかりするまえに、山梨県立美術館へ足を運んではいかがでしょうか。

ミレーの種まく人は2つある

山梨県立美術館にある代表作「種まく人」は美術ファン必見ですね。以前は高い位の役人や鉄道王、銀行が所蔵していたという由緒ある流れがあるので、正真正銘の名画です。

ちなみにもうひとつ、これとまったく同じ作品がボストン美術館にあります。
どちらも優れた作品です。オルセーの「落穂拾い」なども見たいですが、日本に代表作があるというのは、日本の美術ファンにはうれしいですね。

山梨県立美術館について

ミレーコレクションとして有名になったこともあり全国から来場者が来るそうです。1978年開館してから、2006年時点で1000万人の総入場者数を達成しました。

そのほかに所蔵作品は、バルビゾン派の作品やクールベ、ターナー、ドーミエやブラマンク、ドラクロアもありますし、日本人作家でも伝周文、富岡鉄斎の作品などあります。JR甲府駅からバスで15分のところです。

甲府駅は新宿駅からスーパーあずさ号に乗れば片道1時間半で着きます。鈍行だと2時間半、といったアクセスですので、例えば千葉・埼玉・茨城の方は行くだけで一日がかりですね。
ホテル一泊が無難でしょうけど、たまにということで、日帰りでもいいかもしれませんね。

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