マティスの作品たち

気になる作品を紹介しましょう。1905年の「帽子の女」はその当時の色彩が衝撃的だったといわれ酷評されました。「赤いアトリエ(赤のアトリエ)」は彼らしい作品ですがここまで赤いのはないでしょうね。

一方で「青い窓」といったピカソの青の時代を思わせる作品もあります。「なすのある室内」という作品もぎっしりつまった作品です。

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オダリスクの作品群も無視できません。「立てるオダリスク」やパリ市立近代美術館 の「トルコ椅子にもたれるオダリスク」、オランジュリー美術館の「灰色のキュロットのオダリスク」など魅力的な作品たちです。もしかしたらこの分野がとても好きな方が多いかもしれません。

MOMAやバーンズコレクションなど世界中に所蔵され愛されていますが、ブリヂストン美術館や大原美術館など日本の多くの美術館にも所蔵されていますから、いつでも観にいけますね。ぜひ美術館へ足を運んでみましょう。

南フランスのヴァンスにあるドミニコ会修道院のロザリオ礼拝堂はぜひファンであればぜひ観てみたいですね。その明るい内装デザインは彼の集大成というべき作品です。

マティスのダンス

彼の大作といえば、「ダンス」でしょう。いろいろとバージョンはあるようですが。まず1つは「ダンスT」。1909年の作品で、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に所蔵されています。2001年にMOMA名品展として日本で展示されたことがあります。

もう1つは1910年の「ダンスU」。エルミタージュ美術館の所蔵です。2つとも大きな作品であり、色彩や構図も同じですが、後者のほうがより洗練されているという評価が一般的のようです。

しかし、好みは人それぞれですから、どちらか好みか見比べてみると面白いと思います。

マティスの金魚

2005年の秋にプーシキン美術館展が開催されました。その展覧会の目玉のひとつとして日本初公開の「金魚」が出品され話題を呼びました。大きな作品でマティスらしい色彩が輝いていました。

いっぺんにとりこになり、じーっと見入ってしまったのを憶えています。東京都美術館で観た名作のなかでも忘れられない絵の一つです。

ジャズシリーズの切り絵

晩年彼は切り絵の作品を手がけます。どうして切り絵をはじめたのでしょうか。切り絵にあるのはまっすぐな線と単純な色彩の世界。そこに新たな世界を見出したのです。

そうしてできたのがあの「ジャズ」シリーズ。色彩が豊かなのに簡素な印象のある作品は他を知りません。2004年の回顧展ではすべて揃い、圧巻でした。またいつみられることでしょう。

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開催された展覧会

ルオーとマティスの親交が深かったことを示す書簡が発見されたことを受けて2008年に開催された「特別展 ルオーとマティス」。

親交といえばピエール・ボナールもそうでした。それで「マティスとボナール 地中海の光の中へ」という展覧会が2008年に開かれています。

2007年のフィラデルフィア美術館展では「青いドレスの女」が展示されました。これも名品ですが、青いドレスに赤と黒のバックは絶妙でしょう。単純にみえるのですが、実は綿密に計算されているのです。

そして遂に2004年に上野の国立西洋美術館で初めてといっていい大回顧展が開催され、多くのマティスの名品が集まりました。